地産地消(ちさんちしょう)って何のことだろう
 文字どおり、地域生産地域消費の略語です。消費者にとっては近くで作られているものを消費する(食べる)、生産者にとっては食べる人の近くで作る、という意味の言葉です。
 ところが今は遠産遠消の時代。近くのスーパーに行けば、地元に無いもの、時期的に地元では取れないものでも遠くから運んできていつでも欲しいものが手に入るようになり、この事で大いに恩恵を受けています。
 
 ではなぜ私たちは地産地消にこだわるのでしょうか。実際、地域の生産者にとっては、作ったものを誰が食べようが関係ありません。欲しいといって買ってくれる人はどこの人であっても大事なお客です。
 
 しかし、地域の消費者にとって地域の産品を食べることは大いに意味があります。それは、地域の農産物はその地域の環境によって育てられたものであり、健全な農業は健康な環境を保全するからです。
 

地域や環境とどう関係しているの?
 私たちの身体は地域の環境によって作られています。
 稲や野菜は土の養分を取入れて育ちますので、私たちは農産物を食べることで間接的に土という地域の環境を食べていることになります。
 
 したがって、地域の環境が悪くなれば私たちの身体が悪くなるのは当然なことです。地域の環境を保全する農業を支えないと私たちは健康にはなれません。輸入の有機農産物をいくら食べても地域の環境は良くならないわけです。つまり、地消には地域の生産を支えるという大事な意味があります。
 
 そうなると、地産はただ作っていればいいということにはなりません。地域の環境を良くする働きが認められたから地域の消費者が買ってくれるのですから、地域の環境を良くする作り方をしないとそれを裏切ることになってしまいます。生産者の責任は大きくなります。さらにまた、地産地消によって地域の自立性を高めることになります。こうした地産地消が色々な地域で行われていけば、自ずと地域の結びつきは強くなります。その結果として国内の食糧自給率も向上することになるでしょう。