研究会の会員も「合併」についてはそれぞれ意見を持っています。 会員にレポートを提出していただきましたので、ここに掲載します。
 
飯野 徹也

利根川健二

田村 利明

吉川 明男


[飯野 徹也]
2004年3月10日
合併に関する基本見解
 先日川島町より合併に関するアンケート結果が発表されました。

 住民の1割、2000人を対象として、約6割の回答が出ました。そのうち約7割が合併に賛成し、さらにそのうち7割の人が川越市との合併に賛成をしています。

 しかしこれが新聞の報道では「7割が川越との合併を希望」という見出しになっており、あたかも川島全体の7割が川越との合併を希望しているかのような錯覚をおこしています。

 さらに先日の川越市議会での質問に対し、船橋川越市長は「政令市を視野にいれ、坂戸・鶴ヶ島・川島とのいわゆるレインボープランの推進の弾みをつけるため川島との先行合併も考えてみることが必要だ」との答弁をしたことが新聞で報道され、川越との合併が具体的課題となってきました。


 先日のシンポジュウムでも、川越との合併を進めるべきとの意見がおおく感じられました。
 いよいよ川越との合併が動き出したようです。
 長い間「理念なき町政」が続いた結果として、多くの町民の町を愛する気持ちが薄れているように感じられます。アンケート結果の中の合併を望んだ理由のなかに、イメージが良くなる、かっこいい、という答えが多く見られました。
裏返していえば、川島はイメージが悪い、かっこ悪いと思っている人が多いの
ではないないのでしょうか。

 長野県の原村という人口7000人の村のアンケート調査では2000人を対象として、1300人の回答があり、そのうち840人が合併すべきでないと答えています。理由の多くが、原村が好きだから、今の村政に満足しているから、という結果でした。
 長い間「福祉のまちづくり」を掲げ、「日本一元気な村」をスローガンにまちづくりをしてきた成果のあらわれではないでしょうか。まさに川島の裏返しのように思えます。

 川島のアンケート結果を分析すると、今までの町政にたいし不満、不審を持っていた町民が川越との合併に夢を見出そうとしているかに見えます。大川越市の一員となれば少なくとも今より良くなる、そんな思いが多くの町民にあるのではないでしょうか。

 しかし、このような答えを町民意思として川越との合併を進めてよいのでしょうか。
 選挙は4年に1回のお祭りと考え、酒とお金があたり前の選挙を繰り返してきた結果、町民の中に町政に対する不審や不満がたまり、町の理念、町の将来のあるべき姿を描くことが出来ずにきた事は、今までの町長や議員だけの責任ではなく、町民全体で負うべき物ではないでしょうか。

 たしかに元気な町村には、すばらしい町長や村長がリーダーシップを発揮しています。リーダシップの不在がまちづくりを遅らせていることも事実です。しかし優れたリーダーは、町民が産み出すものであり創り出すものではないでしょうか。

 家庭を愛し、地域を愛する気持ちがまちづくりの原点であり、出発点です。
 合併を自己目的化したり、漠然とした不安や、その裏返しとしての夢を描くのではなく、私たちのこの町を少しでも良い町に、住みよい町にする具体的な道を考えるべきであり、合併はその1つの選択肢として捉えるべきだと思います。

 まちづくりは「ひとづくり」であると思います。地域を・町を愛する人の輪を拡げ、お互いの立場や職業や年齢を超え、知恵と力をあわせ「今出来ること、すぐ出来ること」から行動することこそが必要なのではないでしょうか。
 その意味で私はあえて川越市との合併に異を唱えたいと思います。さらにいうなら今この時点で川越市との合併を推進することに反対します。
 川島単独で生き残る気概と誇りを町民が持つことが今こそ必要だからです。

 具体的には、行政と一般町民を含めた「まちづくり協議会」を立ち上げ、行政と町民が知恵と力をあわせ、「川島町まちづくり基本憲章」の策定を提案します。「基本憲章」を作り上げることにより、町民が一つの共通した理念を共有することができ、厳しい状況の中生き残る道を見いだすことが出来るのではないかと思います。

 国と地方の7百兆を超える赤字を解消することが目的で始まった今回の平成大合併が、地方の自立を掲げながら、中央指導の数の整理に陥ることになってはなりません。今回の合併について町長や議会に任せることなく、町民一人一人が真剣に考え選択しなければならないと思います。

 国全体の進路が大きく変化していく中、この小さな町が歴史の荒波にのまれこまれることだけは、何としてもさけること、「小さくとも煌く町・農と共生する町」そんなまちづくりを目指したいと思います。


 


飯野 徹也

利根川健二

田村 利明

吉川 明男


[利根川健二]
2004年4月9日
まちづくりと合併問題について
 「なるようになるよ!」合併についてどう思う?と聞いた相手から返ってきた言葉で、強い印象に今でも残っている。

 NPOの活動に参加して合併問題を考えた時に我々何をすべきか、と言われれば事なかれ主義的な人達に情報提供したり、色々な警鐘を教宣することが重要だと考える。

 安易な合併をすればデメリット的要素として火葬場、ゴミ処理場、汚水処理場など、皆が嫌がる施設の受け皿になる可能性は否定できず、ほんとにそれでいいのか議論が必要であろう。

 仮に合併に進むとすれば、今こそ、この町の良い所を知って住民の多数が自信を持てる形で事に望めたらと思っている。

 そのような中で我々NPOの「まちづくり…」の色々な活動の重要性、必要性が出てくる訳で、我々の活動それぞれが「手段」ではなく「目的」と考えている。

 我々「まちづくり研究会」として合併について、一つの方針に集約する必要は無く、色々な考えが有って然るべきで、多数決などで方向を決める事には反対である。

 我々の活動で川島再発見や、魅力造りをやるべきでそれに勝る事はないと思う。



飯野 徹也

利根川健二

田村 利明

吉川 明男


 
[田村 利明]
  2003年4月24日
まちづくりと合併問題を考える
 2004年3月川島まちづくり研究会はNPO法人として認可され正式にその活動を始めることとなった。昨年6月の発足からもうすぐ1年となる。

 この間会員数は30名余名に増え、町の活性化の一環としてまず、2003年9月「アグリネットカワジマ」を立ち上げた。生産者の顔が見える農業をサポートすることを通じて地産地消の意義を理解し、川島の米作を中心とした農業が抱える諸問題を考えるきっかけを作った。
 美味しい川島産米の販売ネットワークを築き、現在その会員数37名。今年度は宣伝媒体と範囲を拡大し、目標会員数100名を目指し、また、米以外の野菜などにも取り扱い品目を拡げる予定である。

 更に、町の環境保全の一環として河川浄化活動にも取り組み、川島の魅力再発見としてカヌーにもチャレンジし、将来の川島の観光事業のひとつとなるよう活動を始めた。

 また、LRTの勉強会も行い、今欧米を初め日本においても脚光を浴びているLRT(近未来型路面電車)が、公共交通の主役となっているわけを知った。そして、今年の2月まちづくりと合併問題のシンポジウムを開催し、多くの参加者を得た。

 以上が、これまでの川島まちづくり研究会の活動のあらましである。

 これまで行政では取り組むことのできなかった町の抱える諸問題を正面から捉え、遅滞し、形骸化した町行政に風穴を開けたと信じている。しかし、言い方を変えれば、まちづくりのための基盤整備のごく一端を行ってきたに過ぎない。

 まだまだ川島の現状を見るに、やるべきことは多く、また、町の行政側にも住民側にも大きな意識の変革が必要である。今日、焦眉の課題である合併問題は国と地方の財政危機から派生したともいえるが、根本的には政治経済の仕組みや制度の変更のみならず、価値観や体制の変革も問われている。
 旧態依然とした行政の体質は滓のように沈殿している。その責任は行政側にも我々住民側にもあり、それぞれがもたれあっている。

 地方分権化という潮流の中で、町としてしっかりとした座標軸を持って適応、進化していってこそ合併のメリットがその当事者の中に生まれてくるものと考える。それには前向きで、明るく、構想力のある強いリーダーシップを持ったトップが必要であるが、それを支えるお仕着せでない真の「まちづくり協議会」の存在が不可欠である。その構成は行政、企業、NPO団体、一般町民、町議会議員となろう。
 町の抱える諸問題を、ひとつひとつ点検しそれぞれの立場から提言実行して行く中から合併という道筋が見えてくるものと考える。


 検討課題は次のようになろう。
1. 町づくりの基本理念。
2. 行財政改革への提言。
3. 町政を身近にするための町議会改革についての提言。
4. 産業振興のための対策。圏央道周辺開発の提言、発案。
5. 町の活性化につながる軌道系公共交通計画の策定と誘致広報活動。
    等などであろう。

 この「まちづくり協議会」を定期的に開催、公開し、メディアを通して発信することが必要である。
 先日、町で行った合併に関するアンケート結果では、約6割の回答があった。残りの4割は回答がなかった。いろいろな理由があろうが、そのうちの多くが、無関心であろう。これまでの町政に対する不満、何を言っても無駄だ、という無力感。それでも回答を寄せたうち約7割が合併に賛成し、更にその7割が川越との合併を希望しているとの結果であった。その理由の多くが川越との合併により町のイメージが良くなるとの理由。このような本音とも言える感情も決して非難はできないし、無視できない。これまで何もしてこなかった町政への強い意思表示であると思う。このような住民意識を束ね、町を活性化させるパワーとして取り込んでゆく柔軟性もNPOにも必要である。

 ダーウィンの「進化論」では、変化に適応し進化したものみが繁栄し、決して強いものや、頭の良い物ではないと説いた。今日の日本を取り巻く政治経済の大きな流れの中で、地方が進化を遂げてゆく事が唯一生き残ってゆける方策と考える。



飯野 徹也

利根川健二

田村 利明

吉川 明男


 
[吉川 明男]
2004年4月30日
まちづくりと合併問題
 まちづくり研究会では、これまで半年の間に「まちづくりと合併問題」に取り組んできた。
 一つの区切りとしてシンポジウムを開催したが、結局論点が見えないまま終わってしまった。(シンポジウム自体は別の意味で成功したといえるが)

 さらに、研究会自身の議論も毎回かみ合っていないように思える。「結論を」とは言わないまでも、半年も議論をすれば方向性くらいは見えてもよいのではないか。研究会ではいろんな立場の人がそれぞれ意見を言える場であるから、かみ合わないのは当然かもしれないが、ある程度の方向性は出していくべきだと思う。

 そもそも「まちづくり」と「合併問題」を同次元で議論すること自体に間違いがあると思う。研究会のメンバーには『まちづくりの一つの手段として合併がある』ということで合意が出来ているはずであるが、いざ議論となると「まちづくり」の話しになったり「合併」の話しになったりと、いまいち議論に発展性がないと思う。これを繰り返していれば一生結論めいたことが見えてこないのではないかと思える。

 もし、同次元で進めていくならば、チームを二つに分けて集中した議論をすべきでないだろうか。


 私自身は、この研究会に参加した思いと同様に、住みよい町・誇れる町・子孫まで住みつづける町、つまり「まちづくり」を本題に考えていきたい。

 では、どのような町にしたいのか。
@自然と調和した交通機関の整備
A町を発展させようとする行政の体質改善
B自分たち住民の意思で町を変えていくことができる体制の整備(住民自治の強化)
C生活の出来る農業への転換(他地域生産作物との差別化)
D町全体をネットワーク化する光ファイバー網の整備(自宅でも行政等に参加でき住民自治の強化になる)
E他市町村から金を落としにくる施設(観光スポットや滞在型施設になり得るもの)の整備


 ここで合併問題と深く関わってくる@について述べてみる

■自然と調和した交通機関の整備
 圏央道の側道を利用して専用軌道のLRTを敷設する。
 東武東上線から高崎線まで接続できれば、川島町のみならず両隣の坂戸市・鶴ヶ島市ならびに上尾市・桶川市の利用者も増えると思われる。
 上記の隣接市は川島と同様に幹線道路や鉄道が都心部に向かって南北に走っている。現状では手付かずの東西に走る路線が出来れば生活圏が一変するはずである。
 「道は中心部(都市部へ)」というのは江戸時代の発想であり、今日の多様化した時代にはそぐわない発想である。

 LRTは現在の法体制で無理があるので法整備が先決だろう。しかし、池袋のLRT導入構想において国会議員が超党派で「ヨーロッパ型LRTが運行できる」よう法改正に動き出している。このチャンスを逃すのは惜しい。全国的にLRT導入の話しが持ち上がれば法改正に弾みがつくと思われる。
 Eの観光スポット整備に関わってくるが、川島の人口密度の低い広い土地を活用し、パークアンドライドを整備すれば全国から脚光を浴びるだろう。ここが重要で、「脚光を浴びれば世の中はそれに向かって動き出す」のである。

 さて、ここで合併問題を考えてみよう。
 このようなビジョンを持って活動を活発化させていけば、「川越を包囲した新しい生活圏形成」に向けた動きとして隣接の坂戸市などから合併話し浮上してくるだろう。坂戸にしろ鶴ヶ島市にしろ、現状で川越市と合併するメリットが見えてこない。やはり今後いくらでも開発できる環境を持っている川島町が「魅力」と映るのではないか。

 ここで始めて「合併」問題を議論する出発点になるのではないかと思う。


 その他AからEについては別の機会に議論しよう。